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---------------------------- 2005/05/01 管理人

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トーク・トゥ・ハー

トーク・トゥ・ハー リミテッド・エディション・共有結合について
水素分子を構造式で表すと、 H-H となります。 H- さんは常に一本の手を伸ばしていて、誰かと手をつなぎたがっています。要するに H- と H- がお互いに手を取り合って、安定した H-H となっているわけです。H- はひとりでは居られません。電子がひとつ足りない状態はあまりに不安定であると、高校化学で教わります。

・ハロゲンの酸化力について
K-I は K- と I- が手を取り合ったヨウ化カリウムという物質です。ここに Cl- がやってくることがあります。すると K- は I- から Cl- に乗り換えてしまって、 K-Cl (塩化カリウム)という安定状態に入ります。相手がいなくなった I- は不安定な状態に置かれ、他の誰かをさがし始めます。大抵は同じ境遇で隣にいた I- と結びついて I-I (ヨウ素)となります。

・配位結合について
H- には変なやつがいます。 H-O-H (水)はすでに全員が手結んでいて、余った手がないのですが、そこにもうひとりの H- がやってくると一方的に結びついて、 H3O+(オキソニウムイオン) になってしまいます。

こんなことを書いても、トーク・トゥ・ハーを見て流した涙の真実を語ることはできませんね。

ペドロ・アルモドバル監督は慎重に”2つ”ずつ描いていました。画面に映っているのは2人の人や対のものばかりです。その均衡の中で、ときにひとりぼっちが映り、ときに3人が映り、ときに2人+植物状態の女が映るとき、私たちはドキッとせざるをえません。とてもとても不安定になるのです。「うまい」と呻り、心からの拍手を送るほかありませんでした。

トーク・トゥ・ハー ホームページ
[amazon] トーク・トゥ・ハー

2002年/スペイン/1時間53分/配給:ギャガ・コミュニケーションズ
監督・脚本:ペドロ・アルモドバル/出演:レオノール・ワトリング、ハビエル・カマラ、ダリオ・グランディネッティ、ロサリオ・フローレス、フェラルディン・チャップリン 、パス・ベガ、ピナ・バウシュ

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この記事に対するコメント

なにを隠そう、私も『トーク・トゥ・ハー』には感動させられたものです。昨秋の「テアトル代々木」では、お歳をめされたご婦人方のすすり泣く声を聴きながらスクリーンを凝視しておりました。それほどまでにこの作品は老若男女問わず感動させてしまうものなのでしょう。しかし、私は、読後感というか、見終わったあと、幾分腑に落ちない点があったのを覚えています。それは「完成度の高さ」です。完成度が高いゆえに、何か言葉にし難い奇妙な欠如感が私を襲いました。アルモドバルが何か「王道」を進んでいるのではないかという疑念、後戻りできないところ(世界の巨匠との声)まで来てしまったのではないかという一抹の不安があります。アルモドバルと聞けば早速映画館に足を運ぶファンもできていることでしょうし…。私は、アルモドバルのきわどさが好みでした。それをもうかれこれ八年ほど信じているので、不安にも思うのです。しかし、そんな私の不安が杞憂に終わることを願い、ここで筆置。
小峰−健二 | 2004/04/12 10:05 PM