KINEMAtograph/Mirror

KINEMAtograph[キネマトグラフ] は移転しました。
ここはミラーサイトとして運営しています。(時々更新します)
恐れ入りますが、http://kinematograph.net/ へブックマークの張り替えをお願い致します。
(記事へのコメント、トラックバックは停止しています。ご意見ご感想はこちらで承ります。)
---------------------------- 2005/05/01 管理人

スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

- | permalink | - | -
<< コラテラル〜「プロ」の現し身〜 | main | ハウルの動く城 〜キスの魔力〜 >>

海猫〜イコンへの欲望〜

自らの出生時の事件を理由に、婚約者から罵られ別れを告げられた美輝(ミムラ)は失声症に陥ってしまう。映画はこの出来事を導入に美輝の母親・薫(伊東美咲)の物語へと回想されていくのだが、突然、声を失ってしまう美輝の姿はフィルムと全ての登場人物たちを覆い尽くすように見える。最後に美輝たちが目にする広次(仲村トオル)が描いたイコンに向けて、このフィルムは動くことを止めていく。

漁村へ嫁ぎに行く為、白無垢を着込んだ薫はその登場シーンから声を出すことを躊躇っているかのように、弟の問いかけに一言応えるだけだ。結局のところ全編を通して彼女は言葉少なに意思表示をしていくだけなのだが、その姿はやがて動きを止めてしまう。これは比喩でもなんでもなく、薫の最期の姿は静止画としてスクリーンに映し出されるのだ。その静止した画面には広次の姿も重ね合わされる。では、他の登場人物たちはどうだろう。薫の母・タミ(三田佳子)も事実を話したがらず、薫の夫・邦一(佐藤浩一)も、漁師という役柄からか、語るよりも実行で想いを遂げようとする。勿論、台詞がない訳ではないが、彼等の言葉は余りに詩的で悲劇を飾り立てる音にしかならない。そして、イコンは薫と広次の想いと共に教会に残り、舞台となった南茅部の海を飛ぶ海猫さえもその鳴き声を残したままスクリーンで羽ばたくことを止めてしまった。

フィルムに残ったものは何か。所謂、美しい北海道の風景と大人のラブストーリーとかいうものなのか。私にはこのフィルムが静止することで、「映画」にはおよそ似つかわしくない、イコンになることへの欲望を晒しているように見えてしまう。登場人物や風景の美しさがアイドル化してしまうような映画は何も物語ってくれない。

[監督]森田芳光[原作]谷村志穂[脚本]筒井ともみ[音楽]大島ミチル[出演]伊東美咲/佐藤浩市/仲村トオル/ミムラ/三田佳子

海猫 公式サイト
[amazon][DVD]海猫

Kinema | permalink | comments(1) | trackbacks(0)

スポンサーサイト

- | permalink | - | -

この記事に対するコメント

スローモーションとかコマ落としとかストップモーションとか、ああいう時間制御系はなんかむずむずするよね。
あのむずむずの秘密についてきっと誰か偉い人が研究してるんだと思うんだけど、そういう本があったら読んでみたいなあ。
マサキ | 2004/12/06 12:45 AM