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---------------------------- 2005/05/01 管理人

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『帰郷』〜青空家族の旅〜

kikyou住めば都とはよく言ったもので、自分が生まれ育った場所が都でなくなるのにはそう時間はかからないようです。この『帰郷』という映画は文字通り「帰郷」するところから始まるわけですが、故郷が都でなくなった主人公の晴男はそこで遷都中の失われた時間を清算することを余儀なくされるのです。母親は再婚しているし、幼馴染みとは兄弟になってしまっています。そしてもっと大きなこと、彼は父親になってしまっていた!?のです。

晴男はかつての恋人、深雪と再会し、こう問いかけます。「あの時のあれは何だったのか。」と。しかし深雪は言います、「本当に私のこと探してたの?」昔、深雪は晴男と関係を持った次の日に失踪していたのです。そして「次の日」にまた事件は起こるのです。再び深雪 を探す事になる晴男、あの時と違うのは深雪の娘であるチハルがいること。チハルはその小さな頭をフル稼働させて深雪を探します。晴男はその後ろをついていくだけ・・・。深雪探しの道中、チハルはチハルであり、深雪であり、晴男であった気がします。そして小さな旅の最後に見つけた縁日で少し姿を消したチハルに晴男は今度はこう言います、「どうしていなくなっちゃうんだよ!」しかしチハルは言うのです、「チハル、いなくなっていないよ。」彼女の言うとおり、いつでも誰もいなくなってはいないのです。チハルも深雪も、そして若くしてこの世を去った晴男の父親でさえも。

晴男とチハルは物語の後半、家族以外の何でもありません。しかし彼らが「家」に帰る事は許されないのです。そして晴男の故郷の人々は繰り返すのです「ここは狭い。」と。たしかにあそこで生きている人々にとっては狭い故郷のまたその中にある「家」という空間は狭すぎるのかもしれません。

あなたが人である限り、「結婚しよう。」の一言で私とあなたは夫婦になれてしまうわけですし、私達の親が結婚すれば私達は兄弟になってしまうのです。家族とはそうゆうものなのかもしれません。いつでもどこでも、あなたと私がいれば家族なんてものは形成できてしまうのです。それこそ「家」なんてものがなくても。そしてこの映画は晴男が広すぎる東京の、だからこそ少し広い「家」に「帰郷」していくところで物語の最後を迎えます。

きっと「一人」であるあなたは、出来るだけ急いで新宿武蔵野館に足を運ぶ事をボクはお勧めします。

帰郷公式ホームページ

[2004日本/ビターズ・エンド] [監督][脚本]萩生田宏治[製作][脚本]利重剛[製作]磯見俊裕/定井勇二[音楽]今野登茂子[出演]西島秀俊/片岡礼子/守山玲愛/吉行和子/高橋長英/光石研/相築あきこ
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